【格闘技】長谷川、V11戦を表明!具志堅超えへ

 「ボクシング年間優秀選手表彰式」(27日、東京都内)
 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(29)=真正=が27日、次戦は階級変更をせず、11度目の王座防衛戦に臨むことを明らかにした。検討していた2階級制覇への思いは一時封印し、具志堅用高(元世界J・フライ級王者)の持つ国内歴代最多の13連続防衛の更新を目指す。長谷川は都内で行われた2009年間優秀選手表彰式に出席し、MVPとKO賞を受賞した。
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 「次の試合なんですが…」。MVP受賞会見が終わろうとしたとき、長谷川は自ら切り出した。「自分のベストパフォーマンスをまだ見せられていない。バンタム級でやります」。すっきりとした表情で迷いなく言い切った。12月のV10戦から40日。悩み続ける日々に、ようやくピリオドを打った。
 2階級制覇か、連続防衛記録の更新か-。注目された日本のエースの“決断”。長谷川のブログには、ファンからさまざまな声が寄せられた。厳しい意見もあった。「どちらを選択しても、それを応援してくれる人がいれば、ガッカリする人もいる。最後は自分の決断。自分が後悔しない道を考えた結果です」。
 「毎日気持ちは変わった」というほどの苦悩の末、バンタム級で戦い続けることを決意した。それは、壮絶な減量苦と闘い続ける覚悟を決めたということにもなる。「まだ体脂肪も落とせるはず。調整の仕方を考えれば、さらにベストな状態に持っていけると思う。ベストな状態で、ベストパフォーマンスを見せたい」。今後は早い段階から節制し、長いスパンで減量するという。
 具志堅用高日本記録V13更新については「次の試合でいい状態を作れれば、もちろん目指していきたい」と意欲を示し、「ピークは35歳まであると考えている。この1年を踏ん張っても、自分のボクシング人生にマイナスにはならない」。絶対王者はさらなる高みを目指し、可能性を追求していく。
 次戦は4月ごろ、都内でWBC世界Sバンタム級王者・西岡とのダブル世界戦が予定されている。「バンタム級にはまだまだ強い相手がいる。出て行くのは、バンタム級最強を証明してからでもいい。他団体のチャンピオンとやりたいですね」。目を輝かせた長谷川が、2010年の第一歩を力強く踏み出した。