【格闘技】武蔵が4.3に引退セレモニー、後進の指導にも意欲=K-1

 ワールドGPシリーズ、本年度の開幕戦となる「K−1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA」(4月3日、神奈川・横浜アリーナ)に関する会見が24日、都内・ホテルで行われた。
 会見には谷川貞治K−1イベントプロデューサーと武蔵が出席。横浜大会において武蔵の引退セレモニーが実施されることが発表となった。なお、セレモニーのみで引退試合は行われない。

 マイクを取った武蔵は「昨年のワールドGP開幕戦が最後の試合になってしまいましたが、韓国だったこともあり最後にもう一度日本でファンのみなさまにちゃんとしたごあいさつがしたいとお願いしまして、このたび引退セレモニーをやらせていただくことになりました。一つのけじめとしてファンのみなさまにごあいさつができるというのは非常に嬉しく思っております。ありがとうございます」とあいさつ。韓国でのジェロム・レ・バンナ戦を最後の試合とし、引退試合を行わないことに関しては「もう韓国の試合の時にすべてを出し切って戦うつもりだったので、その結果負けはしましたけど、自分的には満足していますし、そのモチベーションでリングに上がったので、また同じモチベーションでリングに上がれるかという部分で葛藤(かっとう)がありました。もう前の試合で自分は格闘人生を締めようと思いました」と、その理由を説明した。

 バンナ戦の後もウェイトやランニング、ミット打ちなどで体を動かしているという武蔵は、自身の会社「パウンドフォーパウンド」を設立。現在はテレビやイベントへの出演をこなしているが、将来的にはジムの設立や後進の指導に対しても意欲を示した。また、K−1での思い出深い出来事を問われると、同じ空手出身で自分より身長の低いアンディ・フグが不利な要素を跳ねのけ優勝した96年のGP、03年と04年の連続準優勝を「優勝できなかったのは悔しかったけど、一番思い出に残ってます」と語った。

 横浜大会では武蔵の後を継ぐ日本人エース・京太郎がピーター・アーツとヘビー級タイトルを賭け対戦するが、武蔵は練習をともにし実戦面でのアドバイスを送った上で「勝つのは大変だし厳しい試合になると思うが、勝ったら拍手を送りたいし、もし勝つことができなくても大きな糧にして、一皮むけてほしい。強い選手とやることが自分が強くなる一番の近道だと思う」と、自身の歩みを思わせる言葉でエールを送った。